忍者ブログ

[PR]

2025.05.05 -
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

   ▲ENTRY-TOP

一本仕上がったはいいが

2008.10.14 - sss
 先日の茶会で言ってた阿呆ネタを書き起こしたらば、完結できたがどうにも
長くなっちまったハルキです・・・
 連休中に赴いたとあるブランドの内覧会にて巡り合ったアルパカのケープにとろけ
「黒川さんの優しさって、きっとこんな感じ・・・」と寝言ホザいてました。
(高くて買えんだったが)
 表参道で気に入りの緑茶カフェでクリームあんみつも食いました。
ほうじ茶寒天・甘すぎないナイスつぶ餡・絶品黒糖アイス・もちもち白玉に
茶葉のあられ・・・めくるめく官能の世界。美味かった・・・
 そして今格納すべきメインページがどうにもファイル多すぎて「新作探すのがすげえ大変」
とご指摘もいただいており、しかし整理してるヒマは皆無。ゆえにどこに置いていいのか
わからんが為いったんここに上げます。後でちゃんとサイトに上げなおします。
長いです。

ベースは山田→中村の、何故か黒川山川。久々に書いてもえげつないし
阿呆です。お嫌いな方は避けてくださいまし~~


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 

 「旅団長がどうにもおかしい」
小雨止まぬ山中は露営の天幕内、山川は寝具にもぞと潜り込んでそう言った。
・・・おかしいのは君の方だ・・・
 ここ連日のならい、そう叫びたいのを我慢して黒川は大躯を端に寄せると山川の横になる
場所をつくってやる。簡素な敷布も掛布も二名分有るには有るが山川の介添の若者が妙に
黒川のに寄せて敷いたが為、こうしてやらぬと山川の長身は間違いなくはみ出るからだ。
いやその由なくとも、黒川はこの据わった眼をした色白の中佐からなるべく身を離して
いたかった。
「さように身構えずとも、今宵は不埒をいたしませぬから」といってもあてにはならない。
 山川にあるのはよわった癖。
 悪癖とも呼んでいいそれは、任でない歩哨を夜通しかって出たり疲労甚だしい部下を連れ
夜な夜な奇襲・偵察に励んだりと体を酷使するもので、上官として見過ごせぬのだが、尚
重ねて悪辣なのは・・・
 隊の合流した翌々日、休息をとろうとせぬ山川を参謀長が叱責した晩に惨劇は起きた。 
奇妙に寄せられた隣の寝場から伸びた腕が、黒川の略衣の下を侵しあらぬところを
まさぐるのに絹を裂くような悲鳴を彼はあげ
「わ、私には妻も子も年老いた父母も二匹の犬もーーーー!!」
己の親族構成を懸命に叫んだものだ。
 その生娘の如き調子と嘆願が功を奏したか、その晩は天幕の内外の爆笑で終わったが
以来毎晩黒川は絡みつこうとするデカい山川の魔手から必死に身を守っている。
 寝床をととのえた山川と同郷らしい無言の尉官の、雄弁なクマがあの時何を
語りかけていたのか今の黒川にはわかるのであった。
        ―面倒事は上つ方で是非にも処断を― 
 大佐に挑む気概、今宵ばかりは絶え果てましたので御心安かれと山川しゃあしゃあ言うのに
信用ならぬといまだかまえる黒川。
 だが「今日は重遠中佐が来られたのですから」の言聞けばとりあえず胸は撫で下ろされる。
 中村の重遠がいるのならば、では山川の下肢の脅威源はそこで解消されたのであろう。
常であれば人の閨話など、黒川感知もしたくはないのだが、この程に限り我に害及ばねば
あとはどうでもいい心境に最早成り下がっている。
 それで目下、おかしな、といえばその中村重遠と山川に尽きるのだが
面妖の張本人は山田旅団長こそが如何にもおかしいと黒川に言ってきたのだ。
「そうです、重遠中佐。今山中の暫しの閑、どうにも互いに色欲相手に不自由しておりましたので
ここぞと発散、人払いもしてさんざ励んでおりましたところ」
・・・聞きたくないんだが。煙草に火をつけた黒川の嫌気な顔を無視して山川は続ける。
「幾度目かも数えるのが莫迦らしく、そろそろ仕舞にせねば臓物(はらわた)も
ひくり返ろうという程の頃、薮から旅団長。天幕の端くぐっておいでになった次第で」
                    嗚呼っ
 何とも傍迷惑・・・閻魔の前こそいま少しマシであろう光景に、あの潔癖な畏るべき
旅団長が出くわしたというのか・・・
 案の定に山田、丸い頬をお露西亜の永久凍土のようにして仁王立ちしたのだが
何しろ中村が上に乗っているので山川もどうしようの無い。
その中村といえば、山田に挙手の礼し「暫時で済ませますゆえー」と間延びの応えで
ふたたび山川に挑みはじめたそうな。無論山田の眼前で。
 黒川は頭を抱え地に伏した。
・・・天よ我を助けたまえ。さもなくば中村と山川に罰の最たるを。

「それで旅団長がおかしいのです」
・・・おかしいのはあんたらです

「あの方の気性からいって二、三の発砲は覚悟していたのですが」
 山田はしばし固まってはいたが、やがて「失礼した」と呟きふしだらの温床を
後にしたらしい。そののち。
「私が報せの為ご宿陣にお伺いしましたらば。名状難しの憂い眼でこちらを見詰られるのです」
あれは明らかに怒りとは別のものにおもわれました、と山川は鼻を掻いた。
黒川においても、妙だと考える。
山川の見間違いか思い外れかもしれぬが、これこうして無傷で当人が語るのが何よりの証。
然なきだに、山田のいつもの調子ならばせめて大音声で不届き者ども罵るを、あたりに響き
わたらせても何の不思議もなかった筈だ。
「重遠中佐なら何と申されるかな・・・」一応黒川は訊いてみたが、先んじてしていた山川の
問いへの「腹でも下されてたのでないですか」との答えに相も変わらず的外しの肩透かしと
嘆息させられただけだった。
 
 山川と黒川の感知する筈もない。

 気むずかし屋の旅団長の逆鱗に、始終やんわりと触れまくっては半殺しの目にあう
蒟蒻中佐だけが、この旅団内で山田に名のみで呼ばれていることを。
彼の度々寄こす戦況報告中の「酒がうまかった」「星がきれいだ」「暑さに留意」
―脱力必至の送り書きこそを、苛々しつつ山田が特に念入りに読していることを。
それを知るのは、己でも心情の惨憺たる有様を名付られず、果してあの面に拳でも
叩き込めば得心いくのかと髪を掻き毟る山田自身と、あたるを幸い周囲の尻々に
狼藉すれども山田のにだけは手を出さぬ、当の中村重遠だけであった。

 「まさかとは思いますが。旅団長私に懸想でもしておいでとか」
さすがに眠いのか、枕面に顎乗せ欠伸を繰り返す山川。「それで辛いお顔を・・」
さぁ、と目を虚ろにする黒川も、余程眠気に襲われて、この天晴れな見当違い氏に
はかばかしい返答はできないまま隣の敷布に包まりなおしたのであった。 




 2千字近いやん、ブログに載せる長さやないやん!!
「中村山川のガチュンシーンに出くわし、鬱になる山田閣下(→中村にほんのり)。その様子見て
『・・・俺に惚れてんだろうか』と天然ボケる山川←勘違いさんv」と『さぁ・・』と呆れる黒川さん」
て漫画にしたら4コマで終わる話をいざ 書いてみたらこんなに長くなったーー(阿呆)
ひとえに書き出したら黒川山川に萌えだしたせいです、ごめんなさい。謝りついでに
山川は、一緒に作戦行動している間は黒川さんを抱き枕(スレスレエロ無し)にしていれば
いい、と最低な考えが浮かびました。煙草の匂いとお髭が山川を喜ばせているのです。
(黒川さん哀れ)
PR
   Comment(0)   TrackBack()    ▲ENTRY-TOP

Comment

コメントタイトル:
投稿者名:
Mail:
URL:
投稿内容:
Password: ※1
Secret: 管理者にだけ表示を許可する※2
※1 パスワードを設定するとご自分が投稿した記事を編集することができます。
※2 チェックを入れると管理者のみが見ることのできるメッセージが送れます。

TrackBack

この記事へのトラックバック
TrackBackURL
  →
カレンダー
04 2025/05 06
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
最新コメント
[09/07 yuihou]
[01/05 緋月煌]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
ふじえだ梅塩、じゃねぇ、おハル。
性別:
非公開
職業:
ロクデナシ
趣味:
妄想
ブログ内検索
モツ煮
便利な牛スジ